夏の夕方、急に空が暗くなってゴロゴロ鳴り出す。その直後に「さっきまで使えてたネットが、急につながらなくなった」——プロバイダの現場にいると、雷が鳴った日の翌日はこの手のお問い合わせが一気に増えます。お客様の多くは「回線が止まった」「速度が落ちた」と思って電話をくださるのですが、社内から見ると原因は回線そのものではなく、ご自宅のONUやルーターが“雷で焼けてしまった”というケースがかなり混ざっています。
このページは、ホテル業界から通信の現場に移ったアストロが、初心者の方向けに「雷でネット機器が壊れる仕組み」と「本当に効く対策・買わなくていいもの」を、誇張せず正直にまとめた骨組みです。沖縄のように夏の雷・ゲリラ豪雨が多い地域の方は特に読んでみてください。
先に結論:雷でやられるのは「電源」より「線」から入ってくる
結論を先に言うと、対策のポイントは3つです。
① 雷が鳴り出したらONU・ルーターの電源を切り、コンセントを抜く。
② できればLANケーブルや電話線(モジュラー)も抜いておく。
③ それでも壊れたら、慌てて高い機器を買う前にまずプロバイダ/回線事業者に連絡する(ONUはレンタル品で、無償交換になることが多いからです)。
意外と知られていないのが、雷の被害は「コンセント(電源)」からだけではないという点です。落雷で発生した高電圧(雷サージ)は、電線だけでなく電話線・LANケーブルといった“通信の線”を伝って機器に入り込みます。実際の現場でも、電源側だけ対策していたのにONUのLANポートだけ死んでいた…という相談は珍しくありません。NTT西日本なども、雷のときはLANケーブルや電話線を抜くよう案内しています。
そもそも「雷サージ」って何?なぜルーターが壊れるの?
雷サージとは、落雷によって瞬間的に発生する非常に高い電圧のことです。これが電線・電話線・LANケーブルなどを通じて家の中に侵入すると、ONUやルーターの内部にある基板や回路が一瞬で焼損し、機器が完全に動かなくなることがあります(推測ではなく、メーカーや通信各社が公式に説明している仕組みです)。
ここで初心者の方がつまずきやすいのが、「ネットが遅い」と「機器が壊れた」の区別です。雷の後にネットが不調なとき、原因は大きく分けて2つ。(A) 回線・プロバイダ側の一時的な障害か、(B) 自宅のONU/ルーターの故障か。Aなら待てば直りますが、Bは待っても直りません。実際の現場では、この切り分けができずに何時間も再起動を繰り返してしまう方が多いです(※切り分けの体験談を追記)。機器のランプが消えたまま・赤点灯のままなら、Bの可能性が高いと考えてください。機器の役割があいまいな方は、まずONU・モデム・ルーターの違いを押さえておくと話が早くなります。
今日からできる雷対策(お金をかけない順)
① 雷が鳴ったら電源とケーブルを抜く(一番確実・無料)
身も蓋もないですが、物理的にコンセントとケーブルを抜くのが一番確実です。電源プラグを抜き、可能ならLANケーブル・電話線も外す。これだけで侵入経路をほぼ断てます。「毎回抜くのは面倒」という方が多いのも事実で、そこは正直に、雷注意報が出た日や外出時だけでも…と現場ではご案内しています(※運営者の本音を追記)。在宅中に急な雷雲が来る沖縄の夏は、天気アプリの雷レーダーと併用すると現実的です。
② 雷ガードタップを使う(ただし“電源側だけ”という限界も正直に)
抜き差しが面倒な人向けの定番が「雷サージ対応の電源タップ(雷ガードタップ)」です。過大な電圧が来たときに保護してくれるもので、数百円〜2,000円程度から買えます。ただしこれが守るのは基本“電源ライン”だけ。前述のとおりLANや電話線から入る雷には効きません。LAN用の保護コネクタが付いた製品もありますが、家庭ではそこまで揃える人は多くない、というのが正直なところです。
・向く人:毎回ケーブルを抜くのが面倒、机周りの機器をまとめて軽く守りたい人。
・向かない人:「これさえ買えば雷は完璧」と思っている人(電源側しか守れないため過信は禁物)。
③ UPS(無停電電源装置)は“向く人だけ”でOK
UPSは停電時にも数分〜数十分電気を供給しつつ、雷サージからも機器を守れる装置です。ただ一般家庭のWi-Fi用途には、正直オーバースペックなことも多い。在宅勤務でオンライン会議が切れると困る人、停電が多い地域の人には価値がありますが、「とりあえず安心のために」と数千〜1万円超を出すかは人によります。ここは“買わなくていい人もいる”と正直に言っておきます。停電対策そのものはテザリングという手もあります。
・向く人:在宅勤務で回線が切れると困る/停電・落雷が多い地域の人。
・向かない人:基本ネット閲覧中心で、抜き差しで十分まかなえる人。
壊れたかも…と思ったときの手順(プロバイダ社員のおすすめ順)
順番が大事です。
1. まずONU・ルーターのランプを確認(電源ランプが消灯・赤なら故障の可能性)。
2. 10秒以上抜いてから電源を入れ直す(再起動で直るケースもある)。
3. 直らなければ回線事業者/プロバイダに連絡。ここで「ランプの色」「雷の後から」と伝えると話が早いです。
4. ONUはレンタル品なので、慌てて買い替えない。市販ルーターを買うのは、切り分けが終わってからで十分です。配線まわりが原因のことも多いので、あわせてLANケーブルが原因のケースもチェックを。実際の現場でも、機器ではなくケーブルやコネクタ側だった、というオチは少なくありません。
まとめ:雷対策は「抜く」が基本、買い物は焦らない
雷でネット機器が壊れるのは、電源だけでなくLAN・電話線から入る雷サージが原因。だからこそ、お金をかけずにできる「電源とケーブルを抜く」が一番確実で、雷ガードタップやUPSはあくまで補助、と考えると失敗しません。そして壊れても焦らないこと——ONUはレンタルで無償交換になることが多く、市販ルーターを慌てて買う必要はありません。沖縄の夏は雷もゲリラ豪雨も多いので、台風前のネット対策チェックリストや、止まってしまったときの復旧手順とあわせて、季節の備えにしてもらえたら嬉しいです。
※本記事は一般的な仕組みと対策の解説です。機器の故障状況によって対応は異なるため、最終的な判断はご契約の回線事業者・メーカーの公式案内をご確認ください。100%壊れないと保証する対策はありません。


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